”好き”が詰まった新しい本屋のカタチ。吉祥寺のシェア型書店ブックマンションに行ってみた。

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自分でお店を出してみたい。自分で作ったものを売ってみたい。

そんな夢をリスク少なく小さく試せるサービスのひとつとして、レンタルボックスというものがあります。

棚を月額で借りて自身のハンドメイドの作品を販売できるレンタルボックスは、日本全国でよく見るし僕の住む沖縄にもあります。

けど、同様のスタイルで本を売るというお店はなかなかありません。

しかし、東京や大阪などの都市部ではこのようなスタイルの書店が増えてきているよう。言うなればシェア型書店。素敵!

棚を借りて、そこに自身が選書もしくは制作した本を販売するシェア型書店。なんて素敵!!

というわけで、今回は吉祥寺にあるブックマンションに行ってきました!

前回東京を訪れた際には、タイミング合わず閉まっていたのですが、念願のブックマンションやっと来れました!

行く前の想像を遥かに超えて、みんなの好きが詰まったとても素敵な本屋さんでした!

目次

吉祥寺駅から徒歩5分。半地下にある隠れ家のような本屋。

ブックマンションがあるのは、住みたい街ランキング5年連続1位のおしゃれな街「吉祥寺」

JR吉祥寺駅から5分ほど歩いたところにある小さなビル「吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)」の地下1階にあります。

実は、このビルの地下1階から地上3階までの4フロアを丸々借りて「本を通したコミュニティ」づくりを目指しているそう。

地下に本屋さんがあって、上にはコーヒーショップやイベントスペースがあって本を通して人と人が繋がっていくコミュニティ、なんて楽しそうなんだ。

棚主たちの”好き”が詰まった秘密基地のような本屋

階段の下にあるブックマンションは、外からでは店内の様子が見えません。

上から覗いても、見えるのは入口のちょっとした棚のみ。

この外界からちょっと切り離された感じが秘密基地っぽくて良い。

階段を降りると現れたのは、まさしくマンションのように区分けされた小さな本屋の集まり。

棚ひとつひとつがそれぞれ個性的で、同じものはひとつとしてありません。

棚主さんは、それぞれの棚を月額で借りて自分の好きな本だけを販売するので、売り上げを上げるというより自分の好きを表現する場のような感じ。

置かれている本も個性的で選書に棚主さんの個性が。通常の本屋さんにはないラインナップです。

旅の本を集めた棚や、ブタにまつわる作品だけを集めた棚とか普通の書店ではお目にかかれない棚ばかり。

本屋の楽しみのひとつに、ネットでは決して出来ない本との偶然の出会いがあると思うんですが、このブックマンションでは本との出会いの前に棚主さんとの出会いがある。

「どんな人がこの本を選んだんだろう」

本棚のラインナップを通して、その向こうにいる人の物語も感じられるから素敵。

他にもこれらとは違ったアプローチで本を選んでいる方も。

こちらの読跡文庫さんは、いわゆる本に線引いたり印がつけられている痕跡本を売っている棚主さん。

単に、情報や物語を得る『機能』としての本であれば書き込みがあると売り物になりません。

でも、見方を変えると本そのものに物語を刻み込まれているような気がして面白い。

この本の持ち主は、「どういう意図でここに印つけたんだろう」とか、本の元の持ち主の考えに思いを馳せたりすると、めちゃくちゃ楽しいんですよ。

しかも、買わなくても書き込めるんですよ、これ。

もはや、駅とかホテルにある旅人が書いていく交換日記に近い。ただ本を売るのではなくて、本を通して新しい体験を生み出していてとても興味深かったです。

あとは本の選び方だけではなく、本の売り方にも個性を出している方も。

こちらの方は、その本に合う紅茶を選んでティーパックもセットで販売していらっしゃいました。

本だけでなく、その本を通して得られる体験もデザインされていて、「皆さん、本当に本が好きなんだろうな」というのがびんびんに伝わってきます。

他にも本1冊買うごとに1枚写真プレゼントしている方や、自身の「好きのお裾分け」といいますか、偏愛に満ち溢れた本棚たちはそれ自体がまるで小説のようで、会話をしているようで、棚を見ているだけで楽しい。

また、棚を借りるだけでなく、2〜3ヶ月に1回のペースで1日店番をやる必要があるのですが、これもまた魅力的。

実際に店に立つことで自身で店を運営する経験ができて、お客さんの顔を見られるし必然的に他のお客さんの棚についても知ることになり、棚主さん同士の交流が生まれる。

実際にその日店番をしている方にお話を伺ったところ、やはり同じような思いを持っているからか自然と交流が生まれて仲良くなるとのことでした。

また、店番の時は共有部分を自身の好きなようにカスタマイズしていいとのこと。そのため、店番が変わるとお店の雰囲気も変わるそう。

なにそれ!めちゃくちゃ素敵じゃないか!ここにはもう素敵しかないのか!!

沖縄にもこんな本屋できないだろうか。いや、もう待てないからなんなら今からここで棚借りて、沖縄から通いたい。

”好きなこと”を小さく試せる場の大切さ

各棚主の選書の素敵さもさることながら、棚のレイアウトやコンセプトも個性的。 棚を見ているだけでも楽しいお店でした。

元書店員として、いちお客さんとして、こんなに魅力的な本屋は初めてで、本当に幸せな時間でした。沖縄から来た甲斐がありました。

ただ、このブックマンションが凄いのは『面白い本屋』として魅力的なだけじゃなくて、”好きなこと”を小さく試せる場を提供していることが本当に凄い試みだし、素晴らしい。

例えば、今僕が「パン屋さんやりたい」って思ったとして、実際にやるとなると実現までの道のりは遠いし、ハードルはかなり高いです。

まずは開業資金を貯めて、店舗を探して、生計を立てるためには事業計画を考えて…

そのうちに、「いやいや、やっぱ無理だわ」となる訳ですよ。

だけど、小さく試せる、小さく形にできるっていう場があると、まずやれてしまう。

これってとても大事だと思うんですよね。

実際にやってみないと、

やってみたら楽しかった!もっとやりたい!

やってみたら想像と違った。正直もうやりたくない。

やってみたら楽しかったけど、趣味でいいかも!

のどれになるか分からない。

でも、実現するまでのハードルが高いと、その前で挫折したりする人がたくさん出てくる。

そうすると、

  • ただただ理想を思い浮かべて、それを実現できない現実に凹む
  • 自分のやりたいことを実現している人を妬む
  • 諦めきれないから次の目標に行けない

みたいなことになる。

『手の届かないところにあるブドウは酸っぱい』状態になってしまう人がたくさんいると思うんです。

でも、これってもったいないと思うんですよね、その人にとっても社会にとっても。

スマホや様々なサービス・アプリの登場で、好きなことを金銭的にも精神的にもリスクを小さく始められることが可能になってきました。

でも、まだまだそれが簡単じゃない分野やジャンルもまだまだあって、その中でこのブックマンションは新しい可能性を見せてくれたような、そんな感じがします。

僕も棚主になって小さな本屋さんやりたいし、本に限らず食べ物つくって提供したり、自作の商品を気軽に販売できるような場を作りたいですね。沖縄にかつてあった共同売店がそのイメージに近いのかしら。

ブックマンション、沖縄にできないかなぁ。というか誰か作って!

店舗情報

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