吉松駅~人吉駅(肥薩線)
優しかった観光SL会館のおばちゃんに別れを告げ、次に乗る電車へ。
あれ。なんだか今までの電車と趣が違うオシャレな電車がやってきた。
おお、なんだ、このオシャレな車内は!
テーブル付き。しかも対面で、シートがふかふかそう。
ここに来るまで知らなかったのだけど、本来特急列車のいさぶろう・しんぺい号が吉松~人吉間では自由席だけ青春18きっぷでも乗れるのだそう。
ここは特急の乗り継ぎ駅なのか、反対側にも特急列車がやってきた。
どちらもかっこいい。
しんぺい号 熊本行きに乗る。
自由席といってもテーブルがないだけで、シートはふかふか。
ここから1時間この列車で次の人吉駅を目指すのだが、なんとこの列車は観光列車らしく、国内でも珍しい2ヶ所のスイッチバックや日本三大車窓の1つを楽しめるとのこと。
なにそれ、めちゃくちゃ楽しそうじゃない。ワクワクしながら特急しんぺい号を発車を待つ。
「真に幸せになれる」真幸駅
一番最初の停車駅は真幸駅。
その駅名から入ると真に幸せになれると言われる真幸駅。
駅に着くと鐘を発見。
なんでも幸せの鐘というらしく、
1回鳴らすと、ちょっと幸せに。
2回鳴らすと、もっと幸せに。
3回鳴らすと、いっぱい幸せになれるそうだ。
もちろん、いっぱい鳴らした。あやかれるものには、とことんあやかっとこう。
「日本三大車窓の1つ」矢岳駅
真幸駅を出ると、この特急列車の区間の見せ場の1つでもある、霧島連山や桜島を望む「日本三大車窓」のパノラマが臨める地点へとたどり着いた。
うん。見えない。なんなら3メートル先も見えない。
多分そうだろうと思っていたけど、期待を裏切られることなく全く見えなかった。
しかし、列車の一番の見せ所でもあるポイント。この景色について添乗員のお姉さんの説明アナウンスが車内に流れる。
お仕事だから仕方ないとはいえ、アナウンスの内容にアドリブは入れちゃダメなのか、見えている時用のアナウンス。
これは心の目で見てくださいっていうことか。そう思っていたら、ふと、隣のおじいさんと目が合った。
「見えないよねぇ」「見えないですねぇ」
「名刺を貼ると出世する」大畑駅
最後は大畑駅。
大きな畑と書いておこばと読む変わった駅だが、ここでは名刺を貼ると出世すると言われている駅らしい。
壁にもびっしり名刺が貼られている。4面びっしり。
スーツ姿の男性が名刺を貼っていた。見た感じ、結構偉そうなポジションについてそうな人だったけど、さらに出世したいとなると社長の地位でも狙っているんだろうか。
そんな妄想をしながら、俺も貼る名刺を探そうとポケットをガサゴソ。
あ、元々名刺なんて持ってなかったわ。
駅以外の魅力もたくさん。
またこの列車、路線の魅力のひとつはスイッチバック。日本でも数少ない2か所のスイッチバック。
俺もこの列車に乗るまで知らなかったけど、山を登るために昔の人が編み出した知恵でジグザグと登っていく方法である。
まったく昔の人はよく考えたよなあ。パワー不足を工夫でカバー。
電車の先頭が交互に入れ替わるので、運転手さんが前後の車両を行ったり来たりする。
これも中々見られない光景のひとつ。いやあ楽しい。
あとは物販もあったりして、いさぶろう・しんぺい号のマスキングテープをついに衝動買いしちゃいました。
人吉駅(熊本県)
1時間の観光列車での旅を楽しんだあと、乗り換え駅の人吉駅に到着。
本当はあのまま乗っていたかったけど、ここから先は特急料金が必要になるとのこと。
もちろん、払えないわけではないけど青春18きっぷで行くと決めていたので、ここで降りる事に。
ここでは2時間の乗り換え待ち。最初は1時間でも長いと思ったけど、ここまで来ると長時間の乗り換え待ちにも慣れてきた。
人吉駅の駅前はここまでの乗り換え街の駅の中でも結構栄えている印象。
城を模したからくり時計があったり、お土産店とかがいくつかあって、これなら2時間はあっという間に過ぎそうだ。
駅前の通りを真っすぐ行くと、人吉温泉物産館の看板を発見。
面白そうなので、行ってみるともう蛍の光が流れ始めていた。あれ、まだ日もあるのにと思ったら17時で閉店だそう。
列車の本数が少ない駅だと閉まるのも早いのだろうか。
ただ、無料の足湯は閉店後も入ってOKとのことだったので浸かっていくことに。
足だけでも温まると、身体がほぐれる。いや、いい湯だな。
人吉駅~八代駅(肥薩線)
2時間の乗り換え待ちを経て、次の電車へ。
もう日が暮れてきた。
ここからまた1時間ほど電車に揺られて、長かった肥薩線の起点である八代駅へ向かう。
さすがに疲れがたまっていたのか、席に座って気づいたら寝ていた。
八代駅(熊本県)
山間部を走る肥薩線の起点の八代駅に到着。
人もまばらで静かな駅。そして、この駅に降りて、最初に思ったのが臭い。
なんだか匂いの強いたくあんのような匂いがずっとしている。後ろに大きな工場があるのだけど、どうやら製紙工場でそこから流れる汚水からこんなに匂いがしているんだそう。
さすがにちょっとこれはキツイ。俺は一瞬だからいいけど、日常的にここを利用する人は大丈夫なんだろうか。
せっかくなので、ちょっと駅前を歩いてみると肥薩おれんじ鉄道の駅があった。
元々はJRの路線だったけど、九州新幹線の開通とともに経営移管された第三セクターの鉄道。
これに乗れれば本数多いし、あと3時間は早く博多に着けたのに。くう。
八代駅~久留米駅(鹿児島本線)
肥薩線を降りると、ここでまた鹿児島本線に戻った。ここは熊本だし、一旦間に別の路線が入ってまた戻るというのは面白い。元々はつながっていたりしたのかな?
そしてここに来て、2時間の電車移動というこの日最長の移動区間がやってきた。
外は真っ暗でもう景色も見えない。
路線図を見る限り、海沿いを走っていると思われるので、必至に目を凝らしてみるけど外は真っ暗。仕方ないので、用意しておいた小説や動画を見て暇をつぶします。
読んでいた小説のは異世界居酒屋のぶの4巻。
そういえば、この小説と出会ったのも青春18きっぷでの旅の途中だったなぁ。
これを読んでると楽しいけど、お腹が空いてくる。こうなりゃ福岡で美味しいものを食べよう。
久留米駅(福岡県)
ついに福岡県に突入。
そして、ここ久留米は本日最後の乗り換え駅。もう乗り換えしなくていいんだと思うと急に疲れがどっときた。
そして、文明の香りが嬉しい。暗くなると、どうしても心細くなるので、明かりの多い栄えている都心部に来ると安心する。
さすがに時間が遅いので人はまばらだけど、やっぱり賑やか。良いね。
久留米駅~博多駅(鹿児島本線)
いよいよ最後の乗り換え。
ここまで本当に長かった。この電車に乗って1日目のゴール博多駅へ。
23:58 博多駅(福岡県)
ついに博多駅に到着。途中、電車の遅延があって不安だったけど23時58分。
日付が変わる前に目的地に着くことができた。
さすが博多。0時を越えてるというのに明るい。さすが大都会。
改札を出ると、友達が待っていてくれたので合流して居酒屋へ。
友達曰く、さっきまでイルミネーション点灯してたけど消えたそう。
それでも、なお明るい。そして駅前がめっちゃ賑やか。さすが九州一の大都市。
そして、久々に再開した友達と遅くまで飲み明かしました。
1日目の移動距離
こうして地図にしてみると、1日でかなり移動しました。
ちなみに総額というのは普通に切符買って乗るとこれだけかかるという額。
青春18きっぷは1日2370円なので6700円ほどお得です。その分過酷だけど(笑)
実際移動してみると九州って結構デカい。
さて、明日は博多から本州は岡山を目指します。