手帳類図書室を知ったきっかけは大好きなクリエイター佐藤ねじさんのTwitterから。
「手帳類図書室」
1000を超える、個人の日記・手帳を集めた図書室。代々木にこんなやばい場所あるの知らなかった…今度絶対行こう…。https://t.co/PmJsBcBstL pic.twitter.com/heiS4O9GTp— 佐藤ねじ(ブルーパドル) (@sato_nezi) 2018年1月14日
個人の手帳を見られるチャンスなんて考えただけでめちゃくちゃ面白そうだし、手帳好きとして行かないわけにはいかない!
ということで行ってきました!
ギャラリーpicaresque(ピカレスク)内にある手帳類図書室
小田急線参宮橋駅から徒歩5分。
静かな住宅街の中にひっそりとあったのが今回の目的地『手帳類図書室』のあるアートギャラリーpicaresque(ピカレスク)
小さく可愛い黒板に書かれた手帳類図書室の文字。
中に入ってみると、何だかカラフルで楽し気なギャラリーがあります。
手帳類図書室はその奥にありました。
もっと広いところを想像していたんですが、6~8人ほどが座れるスペースに手帳類を保管する棚が1つという感じです。
国会図書館のようなシステム
図書館といっても好き勝手に棚から取って読めるわけではありません。
まずは簡単な紹介文が添えられた手帳の目録に目を通します。
その中から読みたいものをスタッフに伝えると持ってきてくれるという国会図書館のような手続きの方法です。
と言ってもそんなに堅苦しいものではなくて、スタッフの方に気軽に声掛けて持ってきてもらう感じ。
関連:手帳類図書室
棚にはしっかりとボックスに入れて保管された手帳類がずらり。
もちろん人様の手帳を拝見させていただくわけですから、プライバシーはしっかり守ります。
料金は1時間500円で、延長したい場合はその都度500円払うシステムです。
いよいよ手帳を拝見する事に。
目録を眺めるだけでも十分楽しいんですが、それでは意味がないので一つ選んでスタッフさんに持ってきてもらうことに。
すると、届いたのはジップロックに入れられた手帳が。
これを見た瞬間、鳥肌が立ちました。
なんだかこの袋の中にこの手帳を使ってた人の息遣いやらなにやらが詰まってるようなそんな感じがしたからです。
袋から手帳を取り出して、壊れないように丁寧にページをめくります。
手帳の中身はプライバシーのため、写真は撮れませんでしたが読んでいる間、鳥肌とニヤニヤが止まりませんでした。
こう書くと変態みたいですね(笑)実際そうなんだと思いますorz
だって、大人になってから他人の文字ってなかなかみる事ないじゃないですか。
しかもよそ行きじゃない他人の文字。
それだけで楽しいんですよ。
人に見せるつもりで書いてないから、その人の個性、純粋な思いがその手帳に詰まってるんですよね。
しかも、その純度が違う。見られる、読まれることを考えて発信されたブログやインスタとは違うんです。
まるで他人の人生を覗いているような背徳感。
ライフログを書く楽しさを知っている人なら分かると思いますが、手書きの文字というのは書いた時の感情も文字にのるじゃないですか。
あれの他人バージョンが楽しめるんです。やばくない?
ホント、人の頭の中を覗いているみたいです。
誰かに見せるつもりじゃない手帳や日記はこんなに面白い。
書かれている内容は、その人にとってはなんてことない日常だったり当たり前のこと何だと思います。
だけど、それを他人が読むとこんなに面白いものなのかとビックリ。
だって、書いた人は読者を楽しませようとなんかしてないんですよ。でも面白い。
この前読んだ、えとみほさんという方のnoteにもあったけど、普通のなんでもない記録って読んでて楽しいんですよね。
ちなみに手帳の持ち主の例をいくつか挙げると、
- テレビマンのノート
- 約40年前の女子高生の日記
- サラリーマンの手帳
- デリヘル嬢の日記
- とある舞台女優の手帳
などバラエティに富んだ手帳類の数々。
多分面白いと感じるものは人それぞれだと思います。
より個性が強くて、不完全だから自分と感覚が近いものじゃないともしかしたら面白さが分からないかもしれない。
ちなみに僕は詩人の手帳、あと編集者のノートにいろいろ刺激を受けました。
あ、こんなに雑多でもいいんだって。最近感じてた違和感が解消された気分。
なんとか頑張って6~8個くらい読みましたが、それでも時間が足りない。
あっという間に2時間がも過ぎていってしまいました(笑)
もちろん全部読めてはないので、また行きます。
すごい素敵な試みだ、手帳類図書室。
ネットが手帳類図書室であればいいのに。
最近はお金が稼げるツールとしてだったり、ブランディングの道具としての側面が強くなったブログ。
だけど、僕らが最初に慣れ親しんだのは個人の日記としてのブログでした。
たしか人生で初めてブログを書いたのはブログは大学生の頃だったと思います。
情報発信ブログが増えた今だからこそ、昔のような日記のようなブログもまた面白いんじゃないかと最近考えているんだけど、どうだろう。
ネットも手帳類図書室みたいであればいいのになと。
だって誰かに見せるつもりじゃない日記や手帳ってこんなにも面白いんですよ。
ブログの場合、もちろんウェブで公開するので、ある程度読まれることを前提とはしているんだけど、ベクトルの違いというか。
書きたいが先なのか、読まれたいが先なのか。
この違いってデカい。
参考:ブログは「個人の日記レベル」じゃダメなの?「未完成」を楽しむ自分メディアの魅力
おそらく今日読んだ手帳類は『書きたい』が100%でしょう。
そして、これらの手帳類はその人の頭の中を覗いているような生々しさがあったんです。
自分自身へ向けたアウトプットは、理性というリミッターが外れてるので、最も醜く純潔な思想だと思う。他人のそれを目の当たりにした時、どんな感情が生まれるのか気になる
— kiyoshi (@k_hijri) 2018年1月18日
書き手が読者に対して過保護な文章とは違って、自分の為だけに書いた日記や手帳はもちろん不親切で不完全。
でも、そのスキマや余白にこちら側が何かを感じ取ろうとする、読み取ろうと思う、そんな能動的な楽しさがありました。
久々に文章を読んでヒリヒリした。それも小説とは違ったヒリヒリ感。生々しさ。
手帳好きは一度は訪れて欲しい手帳類図書室
ちなみに今回、手帳類図書館目当てに訪れたpicaresqueですが、アートギャラリーとしても素敵なお店でした。
是非とも一度は足を運んでいただきたい!
僕もデリヘル嬢の日記が読めなかったのでまた行きます!(笑)
手帳の買取もしているようです。もし興味がある方はあなたの手帳も作品のひとつに。
あなたの手帳、売ってください
手帳類プロジェクトでは、手帳類となってくれる「誰かに見せるつもりじゃなかった」手帳や日記を1冊100〜1000円を目安に買い取っております。
詳細はこちら。
詳細情報
わたしにちょうどいいアートギャラリーpicaresque(ピカレスク)
住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-54-7
営業時間:11:00~18:00(営業日が変則的なため、詳しくはこちらをチェック)
TEL:070-5273-9561
公式サイト:参宮橋のアートギャラリーPicaresque(ピカレスク)
Picaresque公式SNS:Facebook