一度でいいから沖縄代表を甲子園で見てみたかった──その夢を叶えてみた。

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第107回全国高校野球選手権大会決勝、現地で見てきました!

沖縄県勢15年ぶりの優勝に立ち会うという、最高の形で。

目次

一度でいいから、沖縄代表を甲子園で見たかった

沖縄って、高校野球の時期になるとほんとすごいんですよ。

自身の母校でなくても、沖縄県代表の高校を全力で応援します。

代表校の試合がある日は道から車が減るなんて話がありますが、冗談じゃなくて本当に皆テレビの前に釘づけで社会がストップします(笑)

それくらい、高校野球に思いがある沖縄だから、ずっと思ってたんです。

「一度でいいから、沖縄県代表の試合を甲子園で見てみたい」

今年の沖縄尚学は、何かが違った

今年の沖縄県代表が強いというのは、春の選抜に沖縄から2校出場していたので知っていました。

でも、前評判が良くても優勝まで勝ち抜くのは至難の業。

実際、2010年の興南高校の春夏連覇以降は大体が1、2回戦敗退。良くてベスト8。

毎年「今年こそは興南の再来を!」って期待しては、しょんぼり。

ピッチャーが良くても、それを援護する打線が弱いから負けてしまう。それが沖縄県代表のパターンだった気がします。

でも、今年の沖縄尚学は何かが違う。

試合を重ねるごとに成長し進化し強くなる。強力打線というわけではないけれど、数少ないチャンスを確実にモノにして点をもぎ取って行く。

一番大きかったのは新垣有弦投手の覚醒。

左の末吉投手と並んで、左右両エースと言ってもいいくらいまで成長しました。

そして迎えた準決勝、相手は強力打線の山梨学院。

「ここに勝ったら、甲子園に行こう」

そう心に決めて、準決勝を見ていました。

試合終了の瞬間、スマホ片手に航空券を検索

強打の山梨学院打線。さすがに厳しいかと思ったんですが、ここでも覚醒した新垣有弦選手の投球が光る。

末吉からのバトンを受け取り、3回を無失点に抑えて勝利を呼び込みました。

準決勝で山梨学院を破った瞬間、スマホ片手に航空券を検索。

雨で試合日程がズレたこともあって、決勝戦は何と土曜日。

金曜の夜、仕事終わりに空港へダッシュすれば間に合う。

神戸行きのチケットをなんとか確保して、飛び立ちました。

あとからニュースで見たけど、沖縄からの直行便はすべて満席だったそう。

中には台湾経由で甲子園を目指した猛者までいたらしいです(笑)

みんな気持ちは同じなんですね。沖縄県民としてなんか嬉しい。

ちなみに、興奮のあまり帰りの便(神戸発那覇行き)を2枚予約してしまうという大失態を犯してしまいまして。

一時は諦めたんですが、なんとか那覇発のチケットを探し回り、確保しました。

まさかチケット争奪戦が2回あるとは思ってませんでした(笑)

ネカフェで過ごす甲子園前夜

金曜の最終便で神戸空港に到着したあとは、ポートライナーで三ノ宮まで移動して、宿はネカフェに。

弾丸で来たので、飛行機代はバカ高かったし、ホテルなんて予約してません。

神戸は以前よく来ていたので、駅前で見つけたネカフェで仮眠。

この歳になってまさかネカフェ泊とは…。

でも、硬いフロアマットの上で目を閉じながら「明日、本当に甲子園で沖縄尚学を見るんだ」って思うと、子どもみたいにワクワクが止まりませんでした。

1歳の息子にも、いつかこの興奮を味わわせてあげたい。もちろん、その時はちゃんとしたホテルに泊まって。

甲子園に向かう阪神電車が、ゆいレールに感じられた

翌朝、三宮から甲子園駅へ。

車内には、島ぞうりを履いた人、方言で話すおじさん、沖縄尚学のシャツを着た若者…。

ここは阪神電車のはずなのに、まるでゆいレール(沖縄のモノレール)に乗っているみたいでした。

沖縄から遠く離れた兵庫でこんなにも沖縄県民が。

みんな俺と同じように沖縄尚学の活躍を見て、居ても立ってもいられなくなって甲子園に来たのだろうか。

そう思うと、すごく嬉しくなると同時にちょっと沖縄県民であることを誇りに思いました。

甲子園の熱気がすごかった

甲子園駅は降りた瞬間から熱気がすごかった。

興奮まじりに話す人たちがまっすぐ甲子園を目指して歩いていく。

駅の改札を出て、球場の外観が見えたとき、思わず「うわ、テレビで見たやつだ…」って声が出ました。

甲子園球場の前に行くと、沖縄尚学のシャツを着た高校生や、チームカラーの帽子をかぶった人たちでいっぱい。

ここは関西のはずなのに、方々からウチナーンチュ(沖縄県民)と思われる人たちの声が聞こえて不思議な気分。

早く着いたので、試合開始までにはまだまだ時間が。せっかくなので、甲子園球場を一周しました。

途中、歴代優勝校の旗が飾られていました。

ここに沖縄尚学の旗も並ぶのか!?

試合前からワクワクドキドキが止まりません。

あの日、3塁アルプスは沖縄だった

球場内の通路を抜けて、スタンド席へ。

いきなりパァッと開けた視界には超満員の会場。

会場に渦巻く熱気に、試合前から僕の気分も最高潮。

甲子園球場の最大収容人数が47,359人。でも人の数だけじゃない。『今年の夏の頂点を決める戦い』に対する観客の期待、思い、色々な思いが球場全体に満ち満ちている気がしました。

僕が今回チケットを買ったのは沖縄のホームの3塁アルプス。(チケット取るのマジで大変でした)

ちゃんと確認したわけではないけど、3塁アルプスの観客は、ほぼほぼ沖縄県民だったんじゃなかろうか。

ブラスバンドの音に指笛、チョンダラーも登場。

あの日、甲子園球場の3塁アルプスは間違いなく沖縄でした。

息をのむ展開、そして歓喜の瞬間

試合は序盤から緊張感のある展開。1回裏で日大三高が1点を先制したら、2回表で沖縄尚学が取り返す。

少しのミスも許されない息詰まる攻防でした。均衡を破ったのが沖縄尚学の宜野座。

六回に勝ち越し、八回はダメ押しのタイムリーヒット。その瞬間、3塁アルプスではお祭り騒ぎでした。

隣にいた知らないおじさんとハイタッチして、皆でボラーレを熱唱する。

こんな一体感、初めてでした。

ちなみに応援時のブラスバンドの曲、ハイサイおじさんもひやみかち節もいいですが、個人的にチャンスで押せ押せの時に流れるボラーレが好きです。

皆で応援するの楽しい。こういうのも現地に来ないと分からないですよね。

優勝の瞬間、甲子園球場全体が沖縄へ

試合が終わって、勝敗が決まった瞬間。

正直、ダブルプレーになると思っていなかったので、一瞬何が起きたか分かりませんでした(笑)

そのすぐ後に気づいたら「おおーーーーー!」と声をあげていました。

最後、末吉投手に代わってからヒヤヒヤする局面がありましたが、最後ホントよく耐えた。

強烈な打球を体を張って止める眞喜志主将、見事。あれがなかったら逆転されていたかもしれません。

にしても、まさか15年前にはテレビで見ていた甲子園優勝の現場に、立ち会えるとは。

スタンドには歓喜と涙が入り混じる空気が流れていて、胸がぐっと熱くなりました。

優勝後は会場全体でウェーブが。

後で調べてみたら、このウェーブは沖縄県代表が優勝した時だけに起こるものだそう。

周りも巻き込んで、お祭り騒ぎにしてしまうウチナーンチュの県民性はここでも健在。

勝った沖縄尚学への祝福と惜しくも敗れた日大三高への敬意と、全てをかき混ぜて甲子園球場がウェーブで一つに。

球場を出る人の波に混ざりながら、「来てよかった」って何度も心の中でつぶやいてました。

初甲子園、最高の思い出

まさか初めての甲子園が、沖縄代表の決勝戦、しかも優勝シーンに立ち会えるなんて。

あの熱気、あの一体感を知ってしまったら、もう一度行きたくなります。

また、あのアルプスの空気を味わいに行きたい。

なんと今年の優勝の立役者となった沖縄尚学の両エース、末吉投手も新垣投手もまだ2年生。

来年の春と夏もまた見に行きたい。

そして息子が大きくなったら、一緒に甲子園に行って、あの熱狂を見せてあげたいな。

沖縄の夏は、まだまだ続く。

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