先日、よくお世話になっているコワーキングスペースSUNABACO KOZAさんで謎解きイベントを開催しました!
実はここ数ヶ月、
自分はWEB制作の人!!
と、自分がやることを限定することに行き詰まりを感じていまして、何かイマイチ抜けきらないというかパッとしないというか。
仕事がWEB制作だからといってWEBのことだけやっていればいいわけではない。それは分かっているけれど、かといって他に何に手をつけたらいいか分からない。あれもこれも手をつけるのは違うんじゃないか。
そんなモヤモヤをずっと抱えていました。
そこで”自分の肉体的にも精神的にも無理ない範囲で、自分ができることをする”をテーマに、9月は必要とされたら出来る限り色々チャレンジしてみる月間にしてみることに。
その一つとして手を挙げたのが「謎解きイベント」
正直、ノリと勢いのツイートだったのですが、「謎解きイベント」「爆弾魔」というキャッチーなワードがハマったのか、想像していた以上の反応がありました。
「謎解きイベント参加するの初めてなんで楽しみです!」
なんてコメントがあちらこちらから飛んできて、正直言うと、
え!?かるーい気持ちでチャチャっと作った謎解き楽しんでもらおうと思ってたのに!
と、かなり焦りました(笑)
ですが、 自分の作る謎解きイベントが初めてなら中途半端なもので初体験をもらうわけにはいかない!!
そう思い、今回は僕の持てる知識・経験をフルに使って謎解き制作をすることに。
以前、そういったイベント会社で働いていましたが、僕のメインは演者の方であって謎解きゲームの制作は7年ぶり3回目。(こう書くと甲子園みたいね)
当日まで楽しんでもらえるかどうか不安でしたが、ちょっとしたトラブルはありながらも無事楽しんでもらえたみたいです。
ちなみにこちらが当日の様子。
この皆の笑顔は間違いなく楽しんでもらえたと思っていいでしょう!(もちろん謎解きイベントの前にも楽しいイベントがたくさんあって、全部ひっくるめての笑顔ですが!)
しかし、久々に仕事以外でしかも本気で”モノ”を作ってみたら思わぬ発見が色々とあり、せっかくなのでブログにまとめることにしました。
コンテンツを届けるための工夫や手間を怠らない
リアル脱出ゲームの産みの親、加藤隆夫さんが、
「『面白い』より『面白そう』が偉い。面白そうじゃないと足を運んでもらえないから」
と以前何かのインタビューで話していました。
WEBサイト制作やブログ記事を書く際にもよく言われますが、知られていなかったら存在しないのと同じです。
せっかく手間暇かけて作ったものが遊ばれなかったらテンションが下がるし、そんな不安を抱えながらでは良いものも作れません。そこで自分のモチベーションを上げるためにも、まずはイベントの画像から作りました。
実はこの画像の作成時にはざっくりとした設定くらいしか決まってなかったのですが、それでも想像以上に反応がありました。
振り返ってみると、この反応が実は凄い大切で、
「面白そう」と反応があることで、一定数興味を持ってくれる人がいるという安心材料になったし、コンテンツを作る上での指針にもなりました。さらには、期待されてるから良いもの作らなきゃという良いプレッシャーにもなりました。
これがずーっと秘密にしていて反応も見ずにいきなりドーンと出していたらどうなってんだろう。
多分、そこまで高評価をいただくようなことにはなってなかった気がします。
直前に受講した猫山課長のnote講座でも感じましたが、良いものを作ると同時に、それを絶対に届けるための工夫や手間、執念ってのは本当に大事だなと思いました。
謎解きイベント(体験型イベント)の魅力と可能性
謎解きイベントをはじめとする体験型イベントというのは実は10年以上前からあって、リアル脱出ゲームに関して言えば飽和状態。
さまざまなスタイルがやり尽くされていて、正直目新しさはないかなと思ってました。
しかも、今回は初心者の人がほとんどなのでで構成としては割とオーソドックスな作り。ザ・王道。ベタ中のベタ。ベタベタ。
正直「楽しんでもらえるのか」が本当に不安だったのですが、初体験の人からしたらどれも新鮮らしく、ひとつひとつに大きな反応を示してくれました。
それは僕が8年前に初めて体験して感じた、
- 自分が主人公になれる物語体験ができる
- 体感型ゲームを通じて人と人を繋ぐ
- 紙とペンと謎とちょっとした映像だけで、いつもの空間が物語の世界に変わる
と同じで、それを目の前で楽しんでいる人たちを見ると「まだまだ体験型イベントには可能性があるんだな」と。
あくまで、謎解きイベント界隈ではやり尽くされただけで、コンテンツとしてはまだまだ魅力的なんだなと感じました。
ただ楽しいだけじゃないのよ。
たとえ初対面でも物語体験を通じて人と人を繋いじゃう魅力があるのよ、謎解きイベントには。
自分が苦しくないことで人に価値を提供する
これまでに謎解きサイトや謎解きイベントを何度か制作したことがありますが、実はぶっちゃけ謎解きを作ることは別に好きではありません。
でも、この謎解きイベントというコンテンツに魅力を感じてはいました。
ただ、今回は別に予算とかもないし、知り合いの謎クリエイターにお願いするとお金がかかるし、どっかから持って来られない以上、自分で作るしかないかと思って、今回作ってみました。
正直言うと、最後の3日間以外は仕事と並行しながらだったのでスケジュール的にもしんどかったです(笑)
でも、ストーリーの構成やどうやったら楽しんでもらえるか?などのアイデアを考えるのは、どうやら僕的には苦痛じゃないらしく、大変だったけど充実感がありました。
もちろん『仕事じゃなく趣味』でかつ『お客さんからお金をもらわない』ということも大きく影響していると思います。
それでも『自分ができること、苦しくないことで人に価値を提供する』ってこういうことか、と身をもって実感しました。
趣味でも本気でアウトプットする
制作の段階から今回は初めて謎解きイベントを体験する人ばかりなので、そこそこのクオリティでも満足はしてもらえるだろうと思っていました。
でも、せっかく体験してもらうなら、『初めてだから楽しい』じゃなくて『初めてじゃなくても楽しい』イベントを作りたい。
そう思っていたので、今回謎解きゲームを制作するにあたって、これまでの知識と経験をフル活用しました(まだ隠しているギミックとかはあるけど)
その甲斐あって楽しんでもらえたのですが、それ以外にも思わぬメリットが。
ゲーム終了後に思わぬところからフィードバックをいただきまして、自分では気づけない自分の特徴や強みなどについて知ることができました。
タモリさんの「真剣にやれよ! 仕事じゃねぇんだぞ!」じゃないですが、遊びでも真剣にやったからこそフィードバックだったんだろうなと思います。
これが「それなりに楽しめればいいっしょ?」くらいのクオリティだったら、このフィードバックはもらえなかったかもしれません。
『今この場にいる』ということは武器になる
以前、ツイッターで拝見した素晴らしい考え方があります。
それが『今この場にいる』ということが最大の価値になるということ。
僕より上手いベーシストは掃いて捨てるほどいますが、どんなに上手なプレイヤーも、演奏しなければ価値が出せません。
今夜このバンドでお客さんを楽しませられるのは、僕しかいません。上手いあの人も、同時にあちこちで演奏できるわけではないのです。
「今この場にいる」それが自分の最大の価値だと考えることにしています。それは他の誰にも物理的にできないことだからです。
今回のイベントで、この「今この場にいる」ということが価値になる、ということを特に強く感じました。
以前、お世話になっていた会社にはクリエイターとして活躍する、僕よりも魅力的でスキルの高いプロがたくさんいました。
そのプロ達が作るものより僕が作るものはクオリティは低いし、そもそも僕は演者であってクリエイターですらありません。
なので以前から「謎解き作ってみてよ」みたいな話があっても、自分ではプロのような楽しいものは作れないと思い、スルーしてきました。
ですが、「今この場にいる」のは僕だけ。今回のイベントで皆に楽しんでもらえる謎解きゲームを作れるのは僕だけ。
そう思ったので、今できる最高のものを作って皆に楽しんでもらおうと動いてみて、そして実際に喜んでもらえました。
技術や経験でどんなに自分よりも凄い人がたくさんいても、今この場で提供できなければ意味がない。
これはどんなジャンルでも言えることではないでしょうか。
「今この場にいる」それが自分の最大の価値
それを身をもって体験できたのはとても貴重でした。
こんな機会を提供してくれたSUNABACO KOZAさん、ありがとうございます。
終わりに
イベントが終わり、プレッシャーから解放された時のビールのうまいことうまいこと!
自分では気づかなかったけど、かなり緊張していたようでイベント終了後も抜け殻状態(笑)
翌日落ち着いてから、皆の楽しんでいる姿やお褒めの言葉が後追いでジワジワと体に入ってきました。
次回作を期待する声もチラッとあったのですが、ここまでに書いた通り今回で割と手持ちのカードは出し尽くしました。
Twitterで謎やギミックのネタバレもしているので再演もネタの使い回しもできないとなると、次は今回以上に本腰を入れて作る必要がありそう。(こんなに反応良いなら最初からネタバレNGにしておけば良かった!!)
次回があるのかないのか。また、あるとしたらいつになるのかは今のところ未定です。
でも、今回のイベントで仲間が増えたので、もっと面白そうなことができそうな予感もしています。
特に今回急遽お手伝いしてくれた、ひでとさん作の爆弾。
自分ではあそこまでのクオリティのものは作れなかったと思うし、あの爆弾あってのこの盛り上がりだったと思います。本当に感謝。
ビニール袋に爆弾を入れて持ち歩くひでとさんの怪しさったら。もし捕まってたら、ひでとさんが実行犯で僕が幇助とかになってたのかしら。本当に捕まらないで良かった(笑)
今回のイベントがどこに繋がるか、何に繋がるかは分かりませんが、また何かをやる時には全力で楽しんでもらえるものを作ろうと思いますので、その時には是非お力を貸していただけると嬉しいです。