電車で旅をしていると、個性的な駅に度々出会います。
『ホームから外に出られない駅』『ピンクだらけの駅』『名刺を貼ると出世する駅』などなど、「どうしてこうなったの?」と気になる駅ばかり。
街の玄関口としての役割を持つ駅ですが、こういった個性的な駅は、街へ出ずとも駅だけで驚きや感動があります。
そんな個性的な駅を楽しむのも鉄道旅の楽しみのひとつだと思います。
今回訪れたのは、上越線の「土合(どあい)駅」
この駅はホームから改札まで486段の階段、高低差約70mの日本一のモグラ駅とも呼ばれる駅です。
この土合駅は群馬県と新潟県を結ぶ長いトンネルの途中にあり、駅の下り方面のホームはトンネルの中にあります。
むき出しのコンクリートがいい感じで、駅というより地下神殿のような雰囲気です。
栃木の大谷資料館の地下採掘場とか好きな人は絶対好きなはず。
そして、土合駅最大のポイントが、この長い階段。
なんと、その段数は462段。さらに改札までの階段は合計486段あります。
もともとは登山・スキー客がよく利用する駅だったのですが、最近はこの階段を体験するために訪れる人もいるそう。
はい。僕もその一人です。
というわけで実際に登ってみました。
「確かに長い階段だけど光が近くに見えるんで、楽勝でしょ」
そう思って、軽快に登り始めたんですが、登れども登れども一向に頂上に見える光に辿り着かない。
あまりにも長いので、途中から「実はこの階段はエスカレーターみたいになっていて、永遠と階段を登り続けないといけない地獄に迷い込んだのでは?」と思いました。
いや、マジで登れども登れども上に辿り着かない。
階段はある程度登ると踊り場があって、ところどころにベンチが。
おそらく休憩用だと思うのですが、これに座るとなんだか負けた気がするので、今回は使用せずほぼノンストップで一気に登りました。
というか、改札に行くまでに休憩が必要な駅ってなに。
ほぼノンストップで階段を登り続けること、約7分。
ようやく階段の頂上に到着しました。
日頃デスクワークで運動不足な僕は、この時点で膝がガクガクです。
振り返ると、今まで登ってきた階段が。高所恐怖症ではない僕でもちょっとビビるくらいの結構な高さです。
下に立っている人が豆粒より小さく見えます。
階段横には水が流れるだけ斜面があり、ここにエスカレーターをつける案もあったそう。
エスカレーターあったら便利だけど、何かあった時のこと考えると結構こわいですね。
ちなみにどれだけ長いのか、階段登りながら撮影してみました。ぜえぜえ言いながら登ってます。興味ある方はぜひ。
階段を登って終わりかと思いきや、さらにここから改札まで約143m歩きます。階段もわずかですが24段残っています。
改札へ向かう通路は一本道。
さっきまで階段とはまた違った迷路のような雰囲気で、まるでRPGのダンジョンを歩いているような気分になります。
廃墟好きな人は好きかもしれません。
ゴーレムとかが立ち塞がってそうじゃん。
ホームから歩くこと、約10分。ようやく土合駅の改札に辿り着きました。
古めだけど、改札口は至って普通の駅です。
土合駅は1985年から無人駅になり、1日の乗降者数は20人足らずとのこと。
主にスキーや登山で利用する人、最近では僕のような駅目当ての人だと思うんですが、日常生活で利用している人っていたりするのかしら。
気になる。
駅の入り口には『ようこそ日本一のモグラへ 土合へ』と書かれた看板が。
駅の外に出ると、周りは山ばかり。訪れたのが4月だったので、まだまだ雪が残ってました。
今は雪が積もっていますが、夏は生い茂る緑、秋には紅葉が楽しめるそう。ここ一面が紅葉になるかと思うと、それだけでワクワクしますね。
近くには川も流れているので、暖かい季節に来たら楽しそう。
さらには、無人駅を活用した新たな試みでグランピングも行っているようです。今回は休みだったのか覗くことはできなかったので、また機会があれば訪れてみたい駅です。
ちなみに上り方面のホームは至って普通。
土合駅構内には入場券がなくても入ることができるため、上り方面の電車や車で来て、あの大階段を体験する人もいるんだそう。
車で行く場合は問題ないですが、電車で行く際は土合駅に停車する電車は上り下り共に1日に4本程度なので、ダイヤを確認してから行くことをオススメします。
いやー、しかし職場の最寄り駅がこんな駅だったら、毎日通勤するだけで痩せそう。
こち亀のアスレチック署の回を思い出しました(笑)