しばらく休んでいた演劇活動を今月から再開することにしました。まぁ、あくまでお試しというかんじなのだけど。
お金や体調の面から、しばらくお休みしていた演劇。
やりたかったのを泣く泣く諦めたのだから「これから楽しくなるぞ」と思っていたのだけど、いざ再開するとなると面倒臭がっている自分がいる事に気が付きました。
その時「あ、今俺そこまで演劇やりたくないかも」と感じたんですよ。
いや、本当はもっと前からうすうす気付いてたのかもしれない。それでも見て見ぬ振りをしてきた感情だったのかもしれないなと。
じゃあ、何で再開したの?と思われるかもしれないけど、だってその時は本当に「やりたいと思ってる」と思ってたんだもの。
ただ、その思いは20代の半分以上を費やした演劇を辞めてはいけない、と思っていたからだということに気が付きました。
そんな気づきを経て今思うのは、自分が今までどうだったかとか関係なく「やりたいこと」は気軽に始めていいし、辞めたくなったら辞めればいいのかも、という事。
今の”やりたい”を大事にした夏子先輩
俺がまだ大学生の頃、一つ上の女の先輩がいました。
名前を仮に夏子先輩とします。
夏子先輩は大学の演劇サークルで一緒の先輩だったんですが、その先輩が大学4年の後期が始まる頃に大学を辞めたんです。
あと、半年もすれば卒業なのに大学を辞める意味がわからなかったので「どうして辞めるんですか?」と聞いたところ、なんでもネイルの専門学校に行きたいからだ、とか。
「もったいないなぁ」と思いながら、退学する先輩を見送り半年くらい経った頃、久しぶりに先輩から連絡が来ました。
「来月から海外留学に行ってくる」
あれ?専門学校は?
先輩に専門学校のことについて聞いてみると、今すぐに行きたいから辞めたんだそう。
その答えを聞いた時、正直なことを言うと心の中で先輩をバカにしました。絶対本人には言えないけど。
親に金出してもらった大学を卒業間近で辞めて、そうまでして入った専門学校も辞めて、今度は海外留学に行こうとしている。
“どうせ、また続かないだろう”
そう思いました。
だけど、そんな先輩のFacebookを久々に見ると、先輩は今では英語を巧みに使いこなし、海外で楽しそうに暮らしていました。
ブロガーからラッパー、そして今は画家の宮森はやとさん
もう一人、お話したい人がいます。
それが一時期、爆発的に盛り上がったプロブロガーの流れのど真ん中にいた宮森はやとさん。
お会いしたことはないけれど、プロブロガーとして広告収入で収益を上げている頃から、彼のブログを欠かさず読んでいました。
そんな宮森さんがある日、ラッパーになると言い出したんです。そして、ツイッターでも大々的にアピールしてラップ動画なんかもあげ始めた。
拙いながらも、ラップを真剣にやっていこうと思っているんだなぁ、すげーなぁと思い密かに応援していたのだけど、数ヶ月もしないうちに、ラッパーを辞め今度は画家になると言い出しました。
もちろんアンチは待ってましたとばかりに総攻撃。彼のプログやツイッターにはアンチコメントがたくさんつく。
それはもう結構厳しめなコメントも多く、「お前みたいなやつはなにやっても続かねえよ」といった声も多くありました。
そのコメントを見ながら僕は、
“この人、どうせまた続かないだろう”
今度はそんなことは思いませんでした。
むしろ大々的に公表していたものを、自分に合わないと見るや、すぐに撤退して次に行くその潔さとメンタルは本当に凄いと思った。
そんな彼は今独学で学んだ絵で個展を開き、しかもしっかり黒字を出している。
始めるのにも辞めるのにも大した理由はいらない。
この2人の話をしたのは、自分に何が合うかなんて分からないから、とにかく興味あることに手を出して色々やっていくって大事なんだなぁという事。
もちろん、この2人のやり方が絶対的に正しいなんて言ってなくて、特に先輩の件なんかは親御さんは大変だったろうなぁと今でも思ったりします。
ただ、人生何が起こるか分からない。
色んな打席に立ち続けることは大事だし、なにより何かを始める理由も辞める理由も別に大したことなくていいんだとこの2人を見て思いました。
何かを始めるのに”揺るぎない意志”とか”崇高な動機”なんて無くていい成り行きで始めたものが少しずつ大事なものになっていったりするスタートに必要なのはチョコっとの好奇心くらいだよ
本当に「楽しそう」「やってみたい」でいいじゃないか、と思う。
ただ大人になってくると、頭の中で色々な声がする。
「お金にならない、今から始めても遅い、どうせ続かないよ」などなど。
それは多分間違ってないんだと思う。でも、それが正しいかどうかはまた別だと思う。
俺はもうちょっと自分の中の子どもの声を大事にしてもいいんじゃないか。
それでも、頭の中の「大人」や、周りはやんや言ってくる。
そんな外野の声に「うるせえ」と言えるだけの強さをまず見につけたい。
そんなことを思いました。