以前、イベント会社のキャストとして働いていました。
その会社のテーマは”大人が本気でワクワクする遊びを”
そのテーマ通り、楽しいイベントをたくさん提供していたので、大の大人が子どもみたいにはしゃいで、その場で仲良くなって、その後一緒にご飯に。
そんなことも少なくありませんでした。
なので、イベント中は終始お客さんは笑顔。力不足を感じる事もありましたが、それでも基本お客さんは楽しんでくれて、必ず1度は笑顔になってくれました。
ただ、とあるイベントで、僕が受け持ったお客さんの中にどんなことをしても頑なに笑わないお客さんがいました。
いや、もしかしたら”笑えない”という言い方の方が正しいのかもしれない。
イベントには、たくさんの仕掛けや、スタッフのミニコントというか笑いどころがあるのですが、そのお客さんは、一瞬顔がパッと明るくなったあとに必ず苦虫をかみつぶしたような顔をするんです。
僕はその時、人生で初めて苦虫をかみつぶしたような顔を見ました。
決して楽しくないわけではない。
毎回、一瞬顔がぱあっと明るくなった後に、怒ってるような、泣きだしたいような、引きつった笑顔のような、そんな顔をするんです。
まるで、自分は楽しんではいけない、という枷をかけているかのように。
それを見て、僕はとても悲しくなりました。
イベント中の90分間、僕は出来る限り頑張ってみたのですが、結局最後までそのお客さんを満面の笑顔にすることはできませんでした。
2年くらい働いて、トータル5000人くらいのお客さんと接してきたと思いますが、ごくたまにそういう人を見かけます。
そういうお客さんに出会う度に思うわけです。
この人が本気でワクワクするのを、邪魔しているものはなんだろう。
この人が本気で笑うことを、邪魔しているものはなんだろう。
僕も似たような経験があるのでわかります。
僕の場合、今の自分の状況から、どうしても楽しむことに罪悪感を感じてしまう事がたまにあります。
本気で楽しむこと、本気で笑うことを邪魔する原因は人それぞれだと思います。
あなたが『楽しむことを許してくれなかった何か』
それは人によっては『誰かに言われた心ない一言』なのかもしれないし、
『自分の年齢に対する世間の目』なのかもしれないし、
『自分の容姿へのコンプレックスや小さなプライド』なのかもしれない。
本当に色々あると思うので、そのどれにも当てはまる言葉というのを僕はもちません。
でもよくよく考えてみれば『楽しんじゃいけない』なんて決まりは本来この世界にないんですよね。
他人の事になるとよくわかるんですけど、それって多分自分の思い込みだったり誰かが勝手に押し付けてきたルールな気がするんです。
「○○だからお前は楽しむな、楽しんじゃいけない」って。
多分、周りの意見とか声をちゃんと聞いてしまう素直なアナタだからこそ「わがまま」になれなくて苦しくなっちゃうんじゃないかなと思います。
でも、これだけはどうしても言いたい。
「どんな事情があっても、楽しんでいけない人なんて絶対にいない」
思わず口元がにやけてしまうような、心の中からワクっとわいてくる思いがある時に、それを必死でかみ殺すのだけはやめてほしいな、と。
だって、寂しいじゃない。
いいじゃないですか、年甲斐がなくても。
いいじゃないですか、いつもの自分っぽくなくても。
いいじゃないですか、楽しんでも。
楽しんじゃいましょうよ。
僕はあなたにニヤニヤしてほしい。
そして、僕もニヤニヤしたいです( ̄∀ ̄)
この世界は僕らを楽しませてくれるもので溢れてると思うんですよね。