どんな名言も、人によって「希望」にも「呪い」にもなる。

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(この記事は2018年9月5日にnoteに掲載した記事です。)

 

夢を叶えた人の名言や熱い言葉。

大学生の頃はああいった名言本の類が大好きだったんですが、最近はパタッと読まなくなってしまいました。

「なんでかなぁ」と思っていたら、とある小説を読んで、その理由が分かりました。

 

その小説は「異世界居酒屋のぶ」という、異世界と日本の居酒屋がつながってしまった、みたいな話で僕は大好きな小説なのですが、

その中で、料理人のステージを表現するのに「守破離」という言葉を使っていた回がありました。

今まで研鑽を重ねてきたベテランの料理人にとって『守破離』という言葉はこれまでの̪師の教えから脱却し自分の道をつくるため、今までの殻を破る希望の言葉として受け止められました。

しかし、全く文化の違う、しかも異国の料理を再現しなければならない新人の料理人にとっては、『守破離』は、まだまだ先の長い果てしない道を思わせる呪縛になっているのではないか。

そんな事が書かれていたのですが、この回を読んで感じていたモヤモヤが解消されたんです。

 

どんないい言葉でも、受け取る人によって「希望」にも「呪い」にもなるんだなぁ、と。

 

そして、今の俺にとって過去に読んでいた名言はもう「希望」ではなくなっていたんだなぁと分かったんです。

それは別に悪いことではなくて、歳をとったり環境が変わったりする事で、変わるからいいのだけれど。

 

ただ、嫌なのは1つしか「正解」を提示できないこと。

 

その言葉が名言や良い言葉であればあるほど、それに自分がハマれなかった時、その言葉は「呪い」としてその人の心を縛るような気がします。

だからもし、今「正解」とされている大多数の意見があるならば、その反対にあるもう一つの「正解」も提示してあげられるような人になりたい。

 

そう思うんです。

事実は1つでも、真実は人の数だけある。

だから、できる限り多くの選択肢を提案してあげられる人になりたいし、そんな社会になればいいなと思います。

だからもし、今そういう呪いにかかっている人がいたら「その呪いを解いてくれる言葉は必ずあるよ」と伝えたい。

 

ごめん。すぐにパッとは出ないけど絶対ある。

だから、自分はダメだと思わずに、別の道を、別の言葉を探してみよう。

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