今、映画をきっかけに「恋は雨上がりのように」にハマっています。
映画も映画館で2回、アニメも12話全部一気に見てしまいました(笑)
「恋は雨上がりのように」は物語の面白さもさることながら、さらに面白いのが各話のタイトル。
すべて雨がつく名前なんです。
気になって調べてみたら、なんと日本語には雨にまつわる言葉が1200種類もあるそう。
これはすごい。
名前が多いという事はそれだけ違いを認識しているという事になります。
たとえば、虹の色の数。日本では7色だけど、ロシアでは虹は4色なんだそう。
日本では「蝶」と「蛾」と分けられるものも、フランス語では「蝶」も「蛾」も、まとめて「パピヨン」
古代エジプト人は砂を表す言葉を50種類ももっていたというし、同じくエスキモーも雪を表す言葉を100種類ももっていたそう。
人は自分たちの生活に密接にかかわるものに対して、多くの言葉を持ちます。
だから、言葉を知るという事は世界を知ることに繋がると思うんです。
今日から関東はもう梅雨入り。
これから雨が多くなります。梅雨はジメジメするし、洗濯物も干せないしあまり好きじゃないんです。
だけど、そんな憂鬱な梅雨も雨の名前を知ることで、もしかしたら楽しいものになるかもしれない。
そう思って、いくつか雨の名前を集めてみました。
今、降っている雨は一体なんて名前なんだろう?
そんな風に考えてみるのも楽しいかもしれません。
参考書籍:雨のことば辞典(講談社学術文庫)
叢雨(そうう、むらさめ)
強く降って止む雨。
強く降ったり、弱く降ったりを繰り返す雨。
白雨(はくう)
白く見える雨のこと。
夕立ち。にわか雨。
雨に色を感じる感覚って素敵ですよね。
黒雨(こくう)
白とは対極の黒い雨。
でも名前を聞けば、すぐ情景が浮かぶくらいしっくりくる表現です。
本当に空が黒い時ってありますよね。
愁雨(しゅうう)
人を悲しませるような雨。
秋から冬にかけて降る人の心に憂いを運ぶような雨。
たしかに秋から冬にかけてのもの悲しさってありますよね。
そんな時の雨は愁雨。雨そのものじゃなくて、見た人の感情も雨に反映しているのかと思うと面白いです。
麦雨(ばくう)
梅雨の別名。
梅雨と同じく熟す頃に降る雨だから、この名前が付けられたのだそう。
ちなみに同じ時期に旬を迎える食べものとしては他にビワやさくらんぼ、ソラマメ、鮎などがあります。
静雨(せいう)
静かに降る雨。
音もなく͡木の芽に降りかかる春の雨や寂寥をたたえた初秋のしぐれなど。
雨は好きじゃないけど、音もなく降る雨って風流で趣があっていいですよね。
迅雨(じんう)
急に強く降りだした雨。
ゲリラ豪雨とかにスコールに近いのかしら。
「迅」という言葉がつくことで、強さに加えて「疾さ」を感じます。
瞑怒雨(めいどう)
雷とともに降る雨。
怒りという漢字が入るあたり、相当な激しい雨というのがイメージできます。
大きな音を立てて動く「鳴動」とも音が同じなのは関係があるのかな?
ちなみに似たような意味の言葉に瞋怒雨(しんどう)があります。どちらも怖い。
沙雨(さう)
河口の砂洲に降る雨。
砂洲とは水の流れや風によって運ばれた土砂でできた、対岸に届いている、もしくは届きそうに伸びている州(す)。
「沙」には細かい砂、選り分けて悪いものをとるという意味があります。
と、なると「沙雨」には「自分の心の嫌な感情を洗い流してくれる雨」というニュアンスもなくはない…か?
香雨(こうう)
よいにおいのする雨。
雨の美称として使われることがあります。
たしかに雨が降る前って雨の匂いするよね。
ただ、この雨の匂いの感覚、都会民には分からないらしい。
漫ろ雨(そぞろあめ)
小ぶりだが、いつまでも止まずに降る雨。
「そぞろ」とは、なんとなく、もしく、はそわそわと心が落ち着かないさま。
青葉雨(あおばあめ)
初夏の青葉に降り注ぐ雨。
翠雨(すいう)緑雨とも言います。
白雨や黒雨と違って、季節を色で表した雨もまたキレイでいい。
天泣(てんきゅう)
雨という言葉は付かない雨の表現も1ついれてみました。
「天泣」は上空に雲がないのに降る雨。お天気雨や狐の嫁入りと言われる雨です。
ちなみに島根の隠岐地方ではこれを「化雨(ばけあめ)」と呼ぶそう。
おわりに
ここではアニメ「恋は雨上がりのように」のタイトルにも使われたものを含む13個の雨の単語を紹介してみました。
ですが、約1200種類ある雨の単語の中のほんの一部。
同じ雨の状態を表した単語でも表現が違うのもたくさんあるし、地域特有の単語などもあります。
憂鬱になりがちな梅雨時期を楽しむための工夫の一つとして、
「雨の名前を知る」
も選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
今回参考にした本、気になる方は読んでみてね。