「なんかつまらない」
もし今、そんな風に感じているならこの本は是非読んでみてほしい。
満足できない今の現状から抜け出すための力になる、絶対。
新しい自分を手に入れるために読んでほしいという帯のあおり文に惹かれて読んだ「没頭力」
やることに意味や意義をもとめすぎず、まずは純粋な欲求に身を任せてもいいのかもしれない。
読んでみて、そう思いました。
「何が為になるか?」より「何に夢中になれるか?」
何かに没頭できる人は強いし、人生を楽しむ事ができる。
この本によると幸せになりたいと考える時、俺らはつい、
- 「快楽」(美味い、楽しい、気持ちいい、など)
- 「意味」(役に立ちたい、有名になりたい、など)
の2つで、その程度を測ってしまいがち。
だけど、実は何かに「没頭」することも幸せの1つの要素なんだそう。
夢中になって気づいたら、あっという間に時間が過ぎていた。これも1つの幸せのかたちなんだと。
となると、これを身につけられたら最強なんじゃないか?
だって「快楽」や「意味・意義」は他人から動機づけられるものだったり、受け身だったり自分でコントロール不可能なもの。
だけど「没頭」は能動的だし、何よりその行為自体が楽しいのであって他人からの評価などなくても成立する自己完結。
そういう風に幸せな時間を作り出していけたら最高なんじゃないか?
でも、今まで没頭していた経験はあっても、自発的に没頭するって経験はあまりありませんよね。
そこで「没頭するための条件などを論理的に考えて技術として身に付けよう。そしたら、人生もっと楽しくなるよ」というのがこの本の主張。
没頭する「こと」ではなく没頭する「モード」の身に付け方。
黒子のバスケで言うゾーンの入り方。
没頭するための条件やアクションが具体例をまじえて紹介されていたので、とても読みやすかった。
没頭力を身に付けて、俺も子どものように毎日ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りて眠る。
そんな幸せな生活を送りたい。
ということで今回も個人的に気になったところをまとめてみました。
本当はもう本の全文にマーカーひきたいぐらい濃い内容ですべて紹介したい!
けど、さすがにそれはダメなのでいくつかかいつまんでダイジェスト版に。
ものすごい惹かれた部分はまた個別で記事にしたいと思います。
閉塞感を感じてる時は行動に意味をもとめない。
これは没頭力に関する導入として書かれていた著者吉田尚記さん自身のエピソード。
個人的にものすごい共感しました。
大学最後の1年、単位もとり終わり就職も決まり、あと残すは論文だけと、かなり自由な時間が増えたそう。
しかし、本来なら嬉しいはずのこの状況で吉田さんはめちゃくちゃ鬱になってしまったそう。
本人曰く、就職に向けてこの1年なるべくに意味あるように使おうと気負ってしまったという事なんですが、
それは日に日にエスカレートしていき、最終的にTSUTAYAで見る映画を選べず棚の前で6時間立ち尽くして何も借りずに帰ったそう。
経験ない人からしたら笑い話かもしれません。
だけど、似たような経験がある自分としてはとても考えさせられるエピソードでした。
「役に立つ/立たない」で考えると、選択肢が無数に出てきて動けなくなっちゃうんですよね。。
「何がためになるか?」より「何をやりたいか?」
何かモヤモヤと閉塞感を感じている時は、行動に意味を求めすぎず純粋な欲求にしたがって楽しめばいいのかも。
磨くべきスキルは自分が楽しくなるスキル
上の事と関連しますが、スキルを磨くなら役立つスキルよりも自分が楽しくなるスキルがいい。
これ素敵だなと思いました。
そして、スキルだからやればやるほど向上していく。
ここでいうスキルというのは何も本当の技術だけではなくて、思考のクセだったり、考え方なども入ってきます。
という事で、こんな事を始めてみました。
人生を20,000個の好きなことで埋め尽くす。
このフレーズはMCバトルだったらパンチラインですね(笑)
没頭する時間は人を幸せにする。
そんなポジティブな、楽しい、好きなもので人生を埋め尽くせたら楽しいという吉田さん。
多い人で20,000個(回)、普通でも5,000個(回)あればOKだそう。
数字だけ見ると、5,000でもちょっと圧倒されるけど、大丈夫。
ひとつを20,000回楽しんでもいいし、100個のことをそれぞれ200回ずつ楽しんでもいい。
そう思うと、ちょっと逆に少ない気もしてきた。
俺も今年で30だから、ちょっと焦ります。自分の人生を没頭で埋め尽くす。
物事を始める前にいくつも対処法を用意しておく。
これは夢を叶える時に役立ちそうな考え方。
本の中で紹介されている没頭の達人の中のひとり、石川善樹さん(予防医学者)によると、物事を始める時はいくつも対処法をもっておくといいそう。
1つしか持たないと、それが上手くいかなかったらすぐ諦めてしまう。
だけど、最初にいろんな道を用意しておけば1つがダメでも次に行けばいい。
これは賭けグルイ原作者の河本ほむらさんの考え方にも通ずるものがありますね。
上手くやる人は最初にいろんな方法を勉強してから始めるそう。
今の時代、ツールが色々あるからどんなものに色んな道があると思う。
これはとっても大事な考え方だなと。
やりたいことはなくても没頭はできる。
「やりたいことは何ですか」その質問って残酷だよね。みんな「ある」前提の質問は反対にやりたい事がない人間を責める構造になってる。
この言葉に今回一番救われたかもしれない。
やりたいことってない人もいるし、あったけど分からなくなった人もいる。ちなみに俺は後者。
別にやりたいことは1つじゃなくてもいいし、そもそもなくてもいい。
没頭は誰にでも開かれていて、やりたいことがなくても出来るんです。
そして、その没頭することは別に大きいことでなくてもいい。
没頭は自分の気持ちいいこと探し。
これいいなと思ったのが、没頭の入り口への気づき方。
とある統合失調症の女性がその治療の中で「1日のうちで楽しいと思ったことを書きだしてみる」事をすすめられました。
それを実践したところ、彼女は「自分の爪を手入れしている時が楽しい」という事に気づいたそう。
そこでプロのネイリストの職業訓練を受けさせたら、どんどんと回復しプロのネイリストとして社会復帰を果たしたそう。
その日一日で楽しかった事を毎日書き出してみるという事は結構よさそう。
ただ、あくまで没頭は探してはいけないそう。
それではそれに意味を求めてしまって、行為自体をやりたいわけではないから。
このワークはあくまで気づくためのきっかけといった所でしょうか。
価値なんてなくても、他人には無意味でも、それをやると自分は心地いい、やらなきゃ息苦しい。
理由なんてそんなものでいいらしい。
没頭は自分探しではなく、自分の気持ちいい事探し。
自分の感情をモニターする。
僕がすごい雑で嫌だなと思うのは、「楽しめ」って言葉です。
「辛い状況を楽しめ」とか「本番を楽しめ」みたいなことを言う人がいますが、それって全然具体的じゃないと思うんですよ。
だって結果だからね、「楽しむ」って。
出典:没頭力(p157)
これもすごい共感。
そんなにすぐ楽しめたら苦労してないんだよなと思いながら、今まで過ごしていました。
この対策として吉田さんが提案していたのが、「自分の感情をモニターする」こと。
もちろん、自分は今どんな気持ちなんだろうと意識して、自分がどんな時にモチベーションが上がるのかを知っておく。
それが楽しむ前に必要だと。
自分の気持ちが上がる要因を認識しておくのは上機嫌でいることにもつながってくると思うので、コレすごい大事。
[blogcard url=”http://wp.me/p71G3A-2se”]
最後に
今回はあくまで気になったところとそれに関して俺が感じたことを書いたので、本の意図するところとはちょっと違うかもしれません。
肝心な没頭の条件や、そのためのステップなど具体的な話を書いてないのは本の核だからなので、そこが気になる人は是非本を読んでください(笑)
それか、ぐるりみち。のけいろーさんの記事が非常にわかりやすくまとめられているのでオススメ。
参考:「なんかつまらん」を打破し「好き」を見つけるための技術『没頭力』|ぐるりみち。
でも、個人的には本を実際に読んでほしい。
没頭力のエッセンスだけでなく、他にもいろいろ勉強になる具体例や素敵な考え方なども合わせて読む事で役に立つし、心を縛ってる常識をほどいてくれるので。
正直、このブログ経由からじゃなくてもいいから是非手に取ってほしい。
よく言われる「我慢して努力している人はそれを楽しんでいる人には勝てない」という言葉に理解はしつつも、ずっとモヤモヤしていた。
なんか足りないなぁと。
でも、今回の没頭力の話でそれがスッと腹に落ちた。
没頭する「こと」ではなくて、没頭する「モード」を手に入れること。
やりたい事はなくても「没頭」はできる。そして没頭するから楽しいんだ。
「没頭力」という考え方の素敵なところは、積み重ねる今を楽しみながら、それが幸せな未来につながることにあると思う。
将来成功するために今我慢して努力するよりも、没頭していて今がすごく楽しい。
それを繰り返していたら知らぬ間に自分の中にものすごい実力が備わっていた。
そういう事なんだと思う。