ずっと続くと思ってた。
彼女との同棲生活がもう少しで4年目に差し掛かるころ。
僕はもっと1人の時間が欲しいとよく願っていました。
それから数か月後、思ったよりも早くその願いは叶いました。
あんなに欲しかった1人の時間。
それは手に入れた瞬間、要らないものになりました。
今度は2人の時間が欲しいと願いました。
でもそれはもう叶いませんでした。
「あの頃はよかった」
中学生になった時「小学校はよかったなぁ」と思った。
高校生になった時「中学時代はよかったなぁ」と思った。
大学生になった時「高校時代はよかったなぁ」と思った。
大学卒業してから「学生時代はよかったなぁ」と思った。
僕はいつも思ってました。
「あの頃はよかったなぁ」って。
でも今回のことで気づきました。それ、いつも言ってない?俺って。
気づいてないけど、未来から見たら今は『よかったあの頃』なのかもしれない。
どんな時間もいつかは終わる。
あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて
抱きしめただろうあなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう『最後だとわかっていたなら』ノーマ コーネット マレック・作 / 佐川睦・訳より一部引用
終わりがきて初めてあの時が最後だったんだなぁと分かります。
でも、その時が来てからではもう遅いんです。
どんな時間もいつか必ず終わる。
父親からの口うるさい説教の時間、退屈な学校の授業の時間、彼女と上手くいかない時間
どんなに続くと思っていた時間もいつか必ず終わる。当たり前のことだけど、すっかり忘れていました。
どんなに退屈な時間も終わる直前には少し寂しくなります。
だから、もしかしたら「しんどい」と思ってる、今この時間も終わる頃には寂しくなるのかもしれない。
だから、もっと普段から大事にしようと思った。
いつか終わるその時までの、しばしお付き合い。
寂しい時間もしんどい時間も愛そう。
退屈な日常も平凡な暮らしも愛そう。
でもって楽しい時間、嬉しい時間はもっと愛そう。
そう思いました。