本屋のイベント台でオススメされていたこの本。
舞台がエキナカらしく、同じくエキナカで働く俺としては読まないわけにはいかない!
タイトルと表紙の絵の優しい感じも相まって買ってみました。
これが想像以上に良くて、人目もはばからず電車の中で泣いてしまった(笑)
読んだあとに心がホッコリする物語が5話載ってる短編集で、疲れた心にじんわりと染み入ります。
完全なジャケ買いだったけど、買ってよかった!
読みやすいから疲れてても読めるし、疲れた心を癒してくれるのでオススメ。
あらすじはこんな感じ。
この本の舞台は毎日大勢の人が行き交うターミナル駅のエキナカ。
エキナカが舞台の小説ってあんまないよね?それだけでも結構面白い。
神様は、意外と身近にいるのかもしれない――
心を癒やすハートウォーミング・ストーリー!知っているだろうか?
一日に数十万の人が利用している、東京の某ターミナル駅には「神様がいる」という噂がある。その神様はいつも、優しい目で私たちを見守ってくれている。
理不尽な上司の元で激務をこなし、疲労困憊の会社員。金を無心してくる元彼につきまとわれて悩んでいる女性。一人ぼっちでエキナカを寂しげに徘徊する小学生。記憶を失って行き場のない老女……。そんな彼らを、「エキナカの神様」は決して見放さない。ささくれた心を、そっと癒やしてくれるハートウォーミング・ストーリー!
公式サイトより引用
たくさんの人が行き交うターミナル駅。
そこで一人、揉め事の仲裁や困ってる人を助けたりしている、
中『神』というフリーターを中心に駅で巻き起こるドラマ。
神様といってもファンタジーでもSFでもない心温まる人間ドラマです。
読むと人にやさしくなれる
5話物語がある中で個人的に一番好きなのが第1話のSEの物語。
家庭も冷え切ってもう何年も娘と口もきいてない、
仕事で理不尽な上司に無気力な部下でいくら頑張っても報われない、
体と心は疲れ切ってもう死んでしまいたい。
そんなSEが、エキナカの『神様』と呼ばれる中神との出会いでどんどん救われていくのは読んでて、涙が止まりませんでしたよ。
そうか。妻の言葉に、不思議な昂揚の理由が腑に落ちた気がした。
たった三十分だが、俺は旅行に行ったのだ。
駅はどこかに行くために電車に乗りに行く場所であって、
誰かの居場所や楽しみに行く場所
になるなんて考えもしなかったな。
この1話だけでも、癒し効果大アリ。
これだけで読む価値はあると思います。
もちろん、全部読んでほしいけどね!
そしてそのSEが別の話では誰かのために…なんて人の優しさがつながっていく感じは冷えきった俺の心にクリーンヒット。
ベタな表現だけど、人のつながりの温かさを感じる物語で、
たった一人のためにやっていたことが次の人へつながって、どんどん周りの人へ優しさが広がっていく感じが読んでてとても心がほっこり。
いつもの駅が物語の舞台に。
この本を読んでから、
自分の身近にあるエキナカが物語の舞台のように気がしてきて、普段は通り過ぎるだけの駅がいつもと違う風に見えてくるんで結構楽しい。
もしかしたらうちの駅にも神様がいるんじゃないか?って。
この物語の舞台は架空の駅『燕町』
実はこの駅は実際のとある駅がモデルになってるらしいんで、読みながらどこの駅かを考えてみると楽しいかもしれないです(^^♪